【卓球コーチング】練習では入るのに試合で入らない原因は?試合で力を出す練習方法
- 公開日
- 2026.10.31
- 更新日
- 2026.10.30
練習では何本も入るのに、試合になると急にミスが増える。
卓球をしていると、よく起こることです。
「緊張に弱い」「メンタルの問題」と考えられがちですが、実際には、普段の練習と試合で求められることの違いも大きく影響しています。
練習と試合では条件が違う
基本練習では、次に来るボールをある程度予測できます。
例えば、フォア打ちなら、フォア側へ似たボールが繰り返し送られてきます。コースや回転が分かっているため、打球することに集中できます。
一方、試合では次のような判断が必要です。
- フォアとバックのどちらに来るか
- 長いボールか短いボールか
- どのような回転がかかっているか
- 強く打つか、安全につなぐか
- どのコースへ返すか
試合では、ボールを打つ技術だけでなく、相手のボールを判断し、自分のプレーを選ぶ力が求められます。
緊張だけを原因にしない
試合でミスが増えると、「緊張に弱い」「メンタルが弱い」と考えてしまうことがあります。
しかし、普段から決まったコースの練習ばかりしていれば、試合で急に判断を求められても、簡単には対応できません。
緊張への対処も必要ですが、まずは普段の練習に、試合で必要な判断が含まれているかを確認したいところです。
試合につながる練習方法
1.コースの選択肢を少しずつ増やす
最初はコースを決めた練習でも構いません。
安定してきたら、次のように少しずつ選択肢を増やします。
- フォア側かミドル側へ送る
- フォアへ1本または2本送ってからバックへ送る
- バック対バックから、どちらかがフォアへ回す
- 決められたコースで数本打った後は自由にする
いきなり完全なオール練習にするのではなく、予測できる練習から、少し判断が必要な練習へ進めることがポイントです。
2.サービスから一連の流れを練習する
球出しやラリー練習だけでなく、サービスとレシーブから始める練習も取り入れます。
試合では、同じ技術でも直前のプレーによって難しさが変わります。
例えば、フォアドライブが得意でも、レシーブ後に体勢が崩れていれば、基本練習と同じようには打てません。
- サービスから3球目攻撃まで行う
- レシーブから4球目まで行う
- 決められた展開の後は自由にする
- サービスの回転やコースを変える
サービスから一連の流れで練習することで、試合に近い状況を経験できます。
3.プレッシャーのかかる得点練習を行う
ただ11点ゲームをするだけでなく、緊張しやすい場面を意図的に作ります。
例えば、次のような方法があります。
- 8対8からゲームを始める
- 9対9から2点差がつくまで行う
- 練習している技術を使って得点できたら2点にする
- 練習している技術を一度は使うことを条件にする
- 3球目攻撃までに得点を狙う側と、粘って返す側に分かれる
8対8や9対9から始めると、短時間で競った場面を繰り返し経験できます。
また、特定の技術に得点や条件をつけると、練習した技術を試合の中で使う意識が生まれます。
ただし、ルールを複雑にしすぎると、本来の課題が分かりにくくなります。その日の練習目的に合わせて、条件は一つに絞ると取り組みやすくなります。
4.試合後にミスの原因を分ける
試合で入らなかったときは、「練習不足」で終わらせず、原因を分けて考えます。
- ボールの回転を判断できなかった
- 打つコースを迷った
- 準備が遅れた
- 力が入りすぎた
- 相手の返球が予想と違った
- 得点を意識して消極的になった
原因によって、必要な練習は異なります。
技術、判断、準備、緊張のどこに課題があったのかを整理すると、次の練習内容を決めやすくなります。

指導者が気をつけたいこと
試合でミスをした生徒に、「練習では入っていたのに」と伝えるだけでは、改善方法が分かりません。
指導者はミスの結果だけでなく、ミスが起きるまでの過程を見る必要があります。
打ち方には大きな問題がなくても、判断が遅れて準備が間に合わなかった可能性があります。その場合は、フォームを直すよりも、判断を含んだ練習を増やす方が適切です。
また、試合に近い練習ほど成功率は下がります。
ミスが増えたからといって、必ずしも技術が低下したわけではありません。難しい条件の中で、判断しながらプレーしようとしている可能性もあります。
まとめ
練習では入るのに試合で入らない原因は、緊張だけではありません。
基本練習ではボールを予測しやすいのに対して、試合ではコースや回転を判断し、自分でプレーを選ぶ必要があります。
基本練習で技術を身につけた後は、次の要素を少しずつ加えていきます。
- コースの選択肢
- サービスからの展開
- 判断が必要な練習
- 競った場面を想定した得点練習
- 試合後の振り返り
「打てるようにする練習」と「試合で使えるようにする練習」を分けて考えることが、試合で力を発揮するための第一歩です。